最もメジャーな性感染症のクラミジア、その症状と原因

2019年11月08日
男性を診る医者

クラミジア感染症は日本一メジャーな性病で、特に若い女性の間で感染率が高くなっています。産婦人科で受診する妊婦に対してクラミジア検査が実施されますが、この時に初めて感染していることに気づく女性は少なくありません。熊本医療センターが発表したデータによれば10代後半の妊婦の5人に1人、20代前半では12人に1人の割合で感染が確認されています。日本国内では若い女性であれば、8人に1人がクラミジアに感染していると見られています。男性もほぼ同じくらいの人が感染しているので、街中を歩いてすれ違う若い人の10人に1人以上が感染していることになります。

クラミジアは感染率が日本一のメジャーな性感染症ですが、感染経路や病気の症状について知らない人がたくさんいます。男性と女性で生殖器官の構造が異なるので、同じ性病でも男女で違う症状が出ます。クラミジアについても男性と女性では症状が大きく異なるので、発症しても気づくのが遅れてしまうケースが少なくありません。

クラミジアの感染経路は、性行為や疑似性行為です。病原菌に感染する主な原因は、性器やその他の粘膜同士が直接接触することです。クラミジアの病原菌は性器・泌尿器・直腸・咽頭(のど)・眼球の粘膜細胞に寄生して増殖するので、これらの場所に感染します。感染部位の粘膜の細胞が本人またはパートナーの他の粘膜と接触するだけで感染してしまうので、性器・口や口同士などの経路でも伝染が起こります。粘膜が接触するだけで感染してしまうので、性交渉の際に精液や膣分泌液に触れなくてもうつってしまう恐れがあります。

クラミジアの病原菌に感染すると1~3週間ほどで初期症状を発症しますが、男性と女性で症状が違います。男性の約5割、女性の約8割が発症しても強い痛みなどの自覚症状を感じることがなく、症状が悪化するまで気づかないケースも少なくありません。女性は病気に罹っていることに気づかない間に不妊症になってしまう危険性があります。

男性がクラミジアに感染すると尿道炎を起こし、排尿時の痛みや違和感を感じる場合があります。痛みは強くないので、この時点で病気に気づかない人がほとんどです。治療をしないで放置すると細菌が睾丸に移動し、精巣上体炎を発症して圧痛や強い痛みを感じます。この段階まで悪化すると病気に気づいて治療を開始しますが、治療が遅れると男性不妊の原因になってしまいます。

女性の場合は細菌が膣・子宮口・子宮・卵管・卵巣の順番に移動して炎症を発症しますが、ほとんどの人は強い痛みを感じることがありません。細菌が卵管に移動して卵管炎を起こすと、卵管が癒着して完治後も不妊になってしまう危険性があります。放置すると生殖器だけでなく、腹膜に移動して肝周囲炎を発症します。この段階まで悪化すると、命の危険があります。

男性・女性ともに初期症状の段階で気づけば飲み薬だけで簡単に治療できますが、症状が悪化すると長期間にわたり入院して点滴治療を受けなければならなくなってしまいます。完治後も、不妊の原因になってしまう危険性もあります。