HIVはエイズと違う!エイズになるまでの過程を解説

2020年01月12日

性病の中にはヘルペスのように放置しても自然治癒するような感染症もありますが、エイズは治療をしないと確実に死に至る危険な感染症もあります。エイズを発症して治療をしなければ、2~3年で確実に命を落とします。

エイズが非常に危険な病気であることは知られていますが、症状や病原体(HIV)についてはあまりよく知られていません。エイズはHIVと呼ばれるウイルスの感染症ですが、ウイルスに感染することとエイズを発症することは別です。これらの違いについて、きちんと理解しておくことが大切です。

HIVに感染してもすぐにエイズが発病するという訳ではなく、いくつかの段階を経た後に症状が出ます。HIVとはヒト免疫不全ウイルスのことで、人から人に伝染するウイルスの一種です。このウイルスに感染すると免疫機構が破壊され、健康な人であれば無害な細菌や他のウイルスに対する抵抗力を失って日和見感染症を発症します。日和見感染症を発症すると、エイズが発病したとみなされます。病原体のHIVに感染しても日和見感染症を発症していなければ、エイズ患者とはみなされません。

HIVに感染してから実際に症状を発症するまでには、いくつかの段階があります。HIVに感染してから数週間ほどで血中のウイルス量が急増し、免疫が反応して抗体が作られます。この時に発熱やのどの痛みなどのインフルエンザに似た初期症状(インフルエンザ様症状)を発症しますが、治療をしなくても自然に収まります。感染初期から4週間くらいの間に発熱を起こして抗体が作られる期間のことを、急性期と呼びます。感染直後の急性期にウイルスに対する抗体が作られても、発熱などの症状が出ない人もいます。

急性期を過ぎると無症状の無症候性キャリア期に入って抗体検査で陽性反応が出るようになり、数年~20年ほど続きます。この間にもウイルスが少しずつ免疫細胞に寄生して増殖して免疫力を低下させ続け、他の人にうつす危険性があります。免疫力がある程度まで下がると、健康な人であれば無害な細菌やウイルスの感染症(日和見感染症)を起こしてエイズが発病します。日和見感染症を発症した後はエイズ期と呼ばれ、全身の炎症や悪性腫瘍・脳の機能低下などが起こります。

エイズ期に入ると健康な人であれば無害なウイルスや常在菌によって炎症や悪性腫瘍などを発症し、特定の症状を発症する訳ではありません。症状の種類は非常に多いので、エイズ診断基準として23の疾患や合併症が指定されています。23の疾患や合併症のいずれかに該当すれば、エイズ診断基準を満たしたと認められます。23の疾患にはカンジダ症やカポジ肉腫や単純ヘルペスウイルス感染症などの身近な病気も含まれていますが、HIV脳症やカポジ肉腫などの特有の症状もあります。無症候性キャリア期は、エイズ患者ではないということをきちんと理解しておきましょう。

無症候性キャリア期の長さは人によって違いがあり、数ヶ月~20年以上と大きな幅があります。無症候性キャリア期が長い人でも、治療せずに放置するとエイズ期に突入して発症します。

HIVウイルスの主な感染経路は性行為で、新規に感染者になる人のほとんどは性行為や疑似性行為が原因でウイルスに感染しています。一部の国や地域では、性行為以外にも輸血や注射針などの医療器具の使い回しなどが感染経路になる場合もあります。